昨年の北海道開催に続き、今年も東北 仙台での開催が行われました。
AI関連はもちろんですが、WEB化傾向が高いと感じた情報交換会でした。
- 開催日時:2026/09/17(木) 13:30~17:00
- 会場:仙台MTビル貸会議室
開催宣言と・コンソーシアムの説明
ノーツコンソーシアム田中会長

従来のノーツコンソーシアムの活動は従来通り研究会(DominoLounge)・情報交換会・情報共有を継続し、昨年設立した一般社団法人ノーツコンソーシアムは、任意団体では扱いにくい会員外からの問い合わせや金銭を伴う案件に対応するための組織との説明がありました。
一般社団法人は、Domino関連の人材・技術・協力企業をつなぐハブとして、教育、サポート、アセスメント、コンサルティング等を提供・紹介して頂けるそうです。
管理者の減少や、Notes/Dominoに詳しくない後任管理者への引継ぎが課題として挙げられたほか、メーカーへの問い合わせ自体が困難な利用者もいるため、細かな相談や教育ニーズにも対応されるとの事です。
クラウド活用を否定するものではない一方、データ主権、内製化、生成AI利用時のデータ外部流出を背景に、オンプレミス環境とローカルLLMへの関心が高まっており、Domino IQへの期待についても説明がありました。
HCLによるDomino関連最新アップデート
HCL Japan 臼井様

Dominoのロードマップとして、Domino IQ、RAG対応、オープンソースのアンチウイルスソフトへのネイティブ対応、セキュリティ強化、OpenID Connect対応、基盤更新について説明頂きました。
今後の予定として、Domino 2027は内部的に14.5.2となる見込みであり、Domino IQの機能強化やMCPへのネイティブ対応が紹介されました。2028以降を見据え、量子コンピューター時代の暗号化対応も検討対象とされているそうです。
Domino IQは、オンプレミス環境でもLLMを利用でき、社内データをインターネットや社外へ流出させずにAI処理を行える点が特徴です。
標準機能の例として、メール要約、返信案作成、アプリケーション内データの要約・翻訳・分析が紹介されました。
14.5.1ではRAGを利用可能とし、Domino内のデータを参照情報としてLLMに渡して回答を得る仕組みが説明されました。RAGでは、データベース・ビューのアクセス制御を活用できる点がDominoの強みであると強調されました。
Dominoのバックアップ機能はバージョン12から追加され、AWS S3等へのバックアップ・復元が可能となっています。
Nomad Webでは、WebブラウザからNotesアプリケーションを利用できる。ローカルのExcelファイル連携やWindows固有機能との連携には制約がある一方、多くの既存アプリケーションが利用可能の事です。
Nomad Mobileでは、iPhone、iPad、Android端末でアプリケーションを利用でき、写真撮影、QRコード・バーコード読み取り、端末向け画面設計などが可能になります。
Domino Complete Collaboration(CCB)には、Dominoサーバー、Nomad Web、Nomad Mobile、Domino IQ、Verse、REST API、Domino Leap、各種連携・監視機能等が含まれる。
新規顧客向けのパッケージとして「HCL Domino Workspace」が紹介されたが、既存Notes顧客への影響はないと説明された。
CDataによるMCPを用いたDominoデータ連携の説明やデモ
CData Software Japan 杉本様
CDataから、MCPを介してM365等の生成AIとDominoデータを連携するアプローチが紹介された。
大量のDominoアプリケーションが存在する環境では、「どのアプリに必要な情報があるか」を見つけにくいことが課題として挙げられました。またファイルを生成AIへ手動アップロードする方式では、情報更新の手作業、最新版管理、Domino ACLのアクセス制御を引き継げないことが課題となっています。
CData Connect AIは、生成AIがDomino、Salesforce、SharePoint、Excel、Google Sheets等のデータを参照するためのマネージドMCPプラットフォームとして紹介されました。
Domino環境ではREST APIの構成が前提で、対象のアプリケーション、フォーム、ビューをMCP経由で利用ができるようになります。
デモでは、Copilotから保存先を指定せずに案件情報を検索し、該当するDominoアプリケーション内の案件情報を取得する例が示されました。
検索だけでなく、案件情報を集約して打ち合わせ資料やアジェンダを作成する利用例も示されました。
オンプレミスのDomino環境にはConnect Gatewayを配置し、ファイアウォールやポート開放を行わず、アウトバウンドHTTPS通信で接続ができるそうです。
Domino本来のアクセス権を尊重した上で、CData側でも読み取り・更新・削除等の操作権限を制限できます。
AIに公開するアプリケーションやデータ範囲をワークスペース単位で分離できます。営業向けには商談・アンケート情報、マーケティング向けにはキャンペーン・ログ情報といった限定が可能となります。
メールアドレス、クレジットカード番号等については、AIに渡す際にマスキングまたはブロックするデータセキュリティ機能も紹介いただきました。
※本セッションの資料につきましては、公開許可を頂いておりますので、こちらよりダウンロードください。
Domino Hub 2026 レポート ほか
エフ 御代理事
Domino Hubは、ユーザー、パートナー、開発者等に向けて最新情報・ロードマップを共有するコミュニティイベントです。
Domino Hub 2026は「未来の可能性」をテーマとし、AI、RAG、クラウド、Nomad、既存資産の活用等を扱いました。
オンライン、東京、名古屋、大阪での開催が紹介されました。
Domino Lounge 大阪は11月開催を予定しており、ローカルLLM、MCP、RAGの基礎的な内容を扱う予定です。
HCLのIdea Portalについて、英語での投稿が負担となる参加者向けに、内容を英訳して投稿する支援も行っているいます。
11月11日(水)DominoHub 2026 大阪
https://www.dominohub.net/dominohub2026osaka-session/
11月12日(木)ユーザー情報交換会 in KOBE
https://www.notescons.gr.jp/home.nsf/event.xsp?action=openDocument&documentId=2131824082E7506949258E30000B6AF4
ユーザー情報交換会
利用者から共有された状況・課題
- あるユーザー企業では、DX推進に伴いNotesからの移行を検討したが、他システムの費用を比較した結果、Notesを継続活用する方向に戻った。
- 同社では、Notesの見た目、生成AI活用、スマートフォンからの利用に対する社内の不満があり、Web化、検索性向上、外部アクセスを含むシステム改善を進めている。
- 同社は、Copilot/SharePoint、Notes、オンプレミス共有フォルダに分散したデータを、生成AIで横断検索する方法を課題としている。
- Notes/Dominoに関する情報がWeb上で見つけにくいという声が複数あり、コミュニティや勉強会での情報共有の重要性が確認された。
- ある参加者から、Notesの脱却プロジェクトが期限内に終わらず、Nomad Webを利用してNotesクライアントからの脱却とクラウド上での稼働を実現した事例が共有された。
- プラットフォーム移行自体よりも、MCP、RAG、生成AI活用を主戦場と捉えるべきとの意見が示された。
技術討議:Domino IQ、RAG、MCP
- Domino IQでローカルLLMを運用する際のGPU要件について質問があったが、用途、モデル、投入するコンテキスト量、データサイズ等によって異なり、一律の指標は示されなかった。
- RAGの試行は、外部LLMのAPIを利用するリモート構成であれば、GPUなしでも実施できるとの説明があった。
- ローカル運用については、LM Studio等を用いてローカルLLMを起動し、Domino IQのリモートモードからURL接続する方法が紹介された。
- 小規模なモデルであれば、内蔵GPU付きCPU環境でも動作確認は可能とされた。一方、高性能なモデルや大規模データの利用では、クラウド利用も選択肢とされた。
- RAGでは、文書データをベクトル化するEmbedding Modelと、質問への回答を生成するLLMの双方が必要との説明があった。
- 必要な処理性能はデータベース数よりも、1回に扱う文書・コンテキストのサイズ、同時利用者数、利用モデル等に依存するとの意見が出た。
- CData Connect AIでは、APIリクエスト・レスポンスのログを通じて、1回のチャットで扱うコンテキストやトークン量を確認できるとの説明があった。
- RAGは非定型のナレッジをベクトル化して活用する仕組み、MCPはAIが外部データを取得・操作するための仕組みであり、両者を区別すべきとの整理が共有された。
- MCPにはローカルインストール型とリモート型があり、ローカル型を全社展開する場合は各端末への導入負荷がある。
- コミュニティ製MCPサーバー等を利用する場合、AIが外部アプリケーションを操作できることに伴うリスクを考慮する必要があるとの指摘があった。
- 生成AI利用に関する社内規程について、データの機密度分類、外部送信可否、シャドーAI対策等を整理する必要があるとの意見が出た。ガイドラインは技術変化により短期間で陳腐化し得ることも課題とされた。
運用・移行・認証に関する討議
- Webポータル化を進める参加者から、Domino、Teams、SharePoint等の情報を1つのポータルに集約する際、認証基盤の統合が課題との説明があった。
- Domino Directory、Active Directory、EntraID等にユーザー情報が分散しており、IDaaSを含めた認証統合の検討を開始している状況が共有された。
- AI・クラウド活用においては、IDと権限の整理が重要であり、権限連携が未整備だとデータ活用が難しくなるとの意見が出た。
- Nomad Webの導入事例として、関連会社を含む約1,000ユーザー規模でNotesクライアントから置き換えた例が共有された。
- 共有端末では、ブラウザプロファイルの切替、共有IDの利用、ログ監査等が運用上の選択肢として議論された。
- バージョンアップは管理・セキュリティ面では重要である一方、利用者には新機能の価値が見えにくく、導入時に利便性を示す必要があるとの意見が出た。
- NotesメールからOutlookへの移行について、Copilot活用にメール・予定表データが必要であることから、移行前提で動作検証を進める参加者がいた。
- メール移行では、外部宛メールの安定性、サーバーリソース、添付ファイル容量、利用者の操作性等が課題として挙げられた。
データ管理・検索に関する討議
- 大容量添付ファイルを含むNotesデータベースについて、添付ファイルが蓄積するとパフォーマンスに影響し得ることが議論された。
- 年度単位でデータベースを分割する、過去データをアーカイブする、動画等の大容量ファイルはファイルサーバーに保存してNotesからリンクする、といった運用例が共有された。
- データ量や保管対象を把握し、証跡として必要なファイルのみをDominoに保存するなど、運用ルールを明確化する必要があるとの意見が出た。
- Notesの検索性への不満に対し、MCP経由でDominoのメタデータ、リッチテキスト内の文字列、全文検索対象を活用して検索・回答する可能性が説明された。
- CDataによる検索では、対象アプリケーション等のメタデータを参照し、AIが候補を判断した上でリッチテキストを含む内容を検索できると説明された。
- 文書の要約等を行う場合は、対象文書の内容を取得してAIへ渡す追加処理が必要となる。
懇親会
終了後には有志にて懇親会を行いました。
会の中では聞けなかったことなど、活発な意見交換が行えました。
当日の資料につきましては、会員の方のみこちらよりご覧になれます。
会員にご興味のある方は、ノーツコンソーシアムの案内をご覧ください。 こちら