Topic9 管理者はバイネームがお嫌い
前回、Dominoディレクトリについて説明しました。新任太郎さん、ユーザー登録は無事終わりましたか?
新任太郎「わかりにくいがなんとか実行できるレベルの手順書が社内に用意されていたので、登録作業自体はできました。でもその登録した人が中途入社した役員で、いろいろな機密DBに対してアクセス権を与えなきゃいけなくて大変でしたよ」
いくつくらいのDBに対して権限を付与したんですか?
新任太郎「100DBですよ!アイコンを右クリックしてアクセス制御の画面を出して名前を選んで・・本当に大変でしたが、ユーザーには満足してもらえてその日の夜のビールはすごくおいしかったです。」
それは最低な仕事をしてますね。ちょっといくつかのDBのACLを拝見。ヒーどれもこれも個人名のエントリが山のようにある。
新任太郎「しょうがないじゃないですか。見たい人がいっぱいいるんですから」
それはその通りなんですが、もう少し賢いやり方があります。グループ文書を使うのです。グループ文書を作ることで、複数のユーザーを一つのラベルにまとめることができます。そのラベルをアクセス制御やメールの宛先にすることで、複数のユーザーをバイネームで入れずに一括指定することができます。グループ文書は、Dominoディレクトリのグループビューから新規作成することができます。
新任太郎「こんな機能があったんですね。うちの会社の場合は殆ど、部署や役職ごとに見れるDBが決まっているので、その単位でグループを作ればいいんですかね」
そうですね、そのようなグループを作っておいてアクセス制御に入れておけば、そのグループをメンテナンスするだけで、複数のDBのアクセス制御やメーリングリストを一気に管理できるのです。
Topic10 日本人は漢字と序列がお好き
新任太郎「先生、先日教えてもらったグループをうちの会社でも使い始めたんですが、ユーザーからの要求がエスカレートしてきて、メールの宛先選択も部署から人を探せるようにしろとか、そもそもユーザー名の表記を日本語にしろ、「taro yamada/hogehoge」ってなんやねん 「山田 太郎/帆下帆下商事」 だろとか無理ゲーな要求をされて困っています」
いや、それは外資のパッケージが常に直面する日本のめんどくさい習慣です。NotesにもDJX(Dominoディレクトリ日本語拡張)という機能があり、それを使うことで日本語のユーザー名、部署名、役職名、また部署や役職をキーにしたグループの自動生成などができるようになっています。
新任太郎「DJにXなんて、無駄にかっこいい名前ですね」
ここでは詳細な説明は省略しますので、もしも実装したい場合は、データフォルダ下の「help」フォルダ内にある「日本語環境設定ガイド」DBを参照してください。
新任太郎「最近そのパターン多いですね。概念の説明で疲れ切ってしまって手順の説明にまでパワーがいかないんですね」
はい。ちなみに部署や役職マスタを登録する際に、「部署ID」「役職ID」という番号を一緒に登録しますが、メールの宛先選択画面では、このIDのソート順でユーザーが並びますので、社長など偉い人の使う部署や役職には若い番号を振って、くれぐれも下の方に表示されないように注意してください。あなたの会社の風土によっては順番が正しくないとこっぴどく叱られますので。
新任太郎「そんなことまで気にしなくちゃいけないんですね。アルファベットの世界のままの方が幸せな気がしてきました」
今回はこの辺で。ではまた次回。