第5回 Domino Lounge 京都開催

しくじり先生

~うちみたいにならはったら難儀しますえ~

 

今回は京都で開催された「第5回 Domino Lounge」に参加してきました。

今回のテーマは、

「しくじり先生 ~うちみたいにならはったら難儀しますえ~」

成功事例ではなく、「やってしまった」「思っていたのと違った」といった実体験を共有し、そこから得られた気づきを参加者みんなで考える回でした。

しくじり体験には、単なる失敗だけではなく、新しい気づきやお客様とのつながり、次につながる“幸せのタネ”がある。

実際に体験した人の言葉だからこそ、心に刺さる内容が多かったように思います。


■今回のアジェンダ

  • 私の「やっちまったなぁ」な話

  • NotesDBをいっぱい作ってしまった後始末。。。

  • 検査成績書電子化(DX化)プロジェクトの続報

  • Notesクライアント心霊現象解説

  • HCLのありがたいお話

  • 挑戦としくじり

  • とある“脱ノーツプロジェクト”のリアル

  • どこまでやったら顧客は満足するのか?

  • ライトニングトーク

  • 懇親会


■私の「やっちまったなぁ」な話

まずは、身近な「やっちまった」体験から。

Domino Leapの展示用パネルを印刷したところ、A4のつもりがA2で出力。

以前使った設定がそのまま残っていたことが原因だったそうです。

「前にもやったから大丈夫」ではなく、再確認が大事。

またDomino Leapについては、認知度や製品の成熟度、頻繁なバージョンアップに伴う検証負荷など、実際に利用・提案する側ならではの苦労も紹介されました。

さらに、PCやサーバーの故障経験から、

「バックアップは壊れてからでは遅い」

という話も。

作業は計画的に。
興味本位で進めず、転ばぬ先の杖を用意しておく。

シンプルですが、非常に大事な教訓でした。


■NotesDBをいっぱい作ってしまった後始末。。。

こちらはNotesユーザーにはかなり刺さる内容。

稼働しているNotes DBが、なんと2,000個以上

各部署が業務を便利にしようと、それぞれ専用DBを作っていった結果、

「必要な情報がどこにあるのかわからない」

という状態になってしまったそうです。

特に新入社員にとっては、

  • どのDBを見ればいいのかわからない

  • Notesクライアント自体に抵抗がある

  • 結局、詳しい人に聞く

という状況に。

古いDBを改修しようとしても、作成者が退職していたり、中身が分からなかったりするため、

「直すより新しく作った方が早い」

となり、さらにDBが増えてしまいます。

そして増えすぎたDBを探すために「DBを探すDB」を作成。

……結果、またDBが増える。

最終的にはベテラン社員の記憶頼みとなり、「Notesは使いにくい」という評価にもつながってしまいます。

現在はAIを活用し、蓄積されたNotes DBから必要な情報を探しやすくする取り組みにチャレンジされているとのこと。

2,000ものNotes DBは、見方を変えれば長年蓄積された会社の情報資産でもあります。

「捨てる」のではなく、「活かす」方向へ持っていく取り組みは非常に興味深いものでした。


■検査成績書電子化(DX化)プロジェクトの続報

以前紹介された、検査成績書電子化プロジェクトの続報です。

紙ベースで管理していた検査成績書をNotes/Dominoで電子化し、iPadやiPhoneから利用できる仕組みを構築。

スマートフォンでは通常のキーボード入力が使いづらいため、テンキーなど専用UIを用意するなど、現場での使いやすさも工夫されています。

今回の導入によって、Notes/Dominoの新しいユーザーも増えたとのこと。

複雑な業務処理では、ローコード・ノーコードだけでは対応しにくいケースもあります。

そうした場面でNotes/Dominoが改めて選ばれる、というのも興味深いところでした。


■Notesクライアント心霊現象解説

タイトルからして気になる、

「Notesクライアント心霊現象解説」

今回は、実際に発生した現象を動画で紹介されていました。

特定の処理を行うと一度は改善するものの、数日後に再発する現象や、Notes V14へ移行してからメール画面が真っ白になる事象などが紹介されました。

利用者によって発生頻度が違い、再起動すると一旦直る。

原因がはっきりせず、再現性も低い。

まさに「心霊現象」です。

こうした事象こそ、ユーザー同士で情報を共有できる場のありがたさを感じます。


■HCLのありがたいお話

HCLからは、DominoとAIを中心とした今後の方向性について紹介がありました。

REST APIやMCPを利用し、Claudeなどの外部AIからDominoアプリケーションを活用する仕組みや、DominoIQ、RAGなどが主なテーマです。

Domino 14.5.1では、Domino内部にRAG環境を構築し、DominoのACLを活かした検索が可能になります。

一方で、RAGは何でも検索できる万能な仕組みではありません。

関連度の高い情報を探すのは得意ですが、

「該当するものを全部出して」

という網羅的な検索では、全文検索などの方が適しているケースもあります。

AI、RAG、MCP、既存検索をどう使い分けるか。

利用者側もそれぞれの特性を理解する必要がありそうです。


■挑戦としくじり

こちらはモバイル・リモート接続強化への挑戦。

VPNレス接続を実現する中で、証明書更新やセキュリティ面の課題が発生したそうです。

証明書の更新手順が複雑になり、有効期限の短縮によって作業頻度も増加。

人的ミスによるサービス停止のリスクも高まります。

さらに、外部からの大量アクセスによるDDoS被害も発生。

特定IPをブロックしても別のIPからアクセスされるなど、いたちごっこの状態となり、通常利用にも影響が出る状況となりました。

その結果、最終的には利便性よりも業務継続を優先し、

外部からのアクセスはVPN必須へ戻す

という方針に変更。

VPN側では端末認証を追加し、iPadなど大画面での利用はVDI経由を基本とする形に見直されたそうです。

また、Nomad Webを基盤としたブラウザ化・モバイル化についても、現在は推進を停止しているとのこと。

便利さを追求した結果、新たな運用負荷やセキュリティリスクが生まれる。

「できること」と「安全に運用し続けられること」は別。

今回の「しくじり」というテーマにも非常に合った内容でした。


■とある“脱ノーツプロジェクト”のリアル

今回特に印象に残ったテーマのひとつが、

「脱Notes」でした。

スピードを優先し、

「既存Notesアプリの機能をそのまま移行する」

という方針でスタート。

しかしNotesと移行先では仕組みも考え方も違います。

「そのまま」が本当に可能なのか。

またベンダーの「できます」という言葉についても、

何が、どのように、どこまでできるのか

を確認する必要があります。

さらに、

「移行できる」と「その後運用できる」は別。

移行後の利用料や保守、改修方法まで考えておかなければなりません。

進捗報告では「順調」とされていても、まだ実際に使えるアプリができておらず、ユーザー側で確認できないケースもあったとのこと。

今回の話を聞いて改めて感じたのは、

脱Notesそのものを目的にしてはいけない

ということ。

「なぜ移行するのか」を最後まで忘れないことが重要です。


■どこまでやったら顧客は満足するのか?

こちらはプロジェクトの進め方、人との関わり方についてのお話。

日本(JP)とアメリカ(US)のメンバーが参加するプロジェクトで、

JP側では、

  • ・開発の全体像が見えない

  • ・役割分担が明確でない

  • ・最終判断者が分からない

US側では、

  • ・当事者意識が薄い

  • ・開発工程への理解が十分でない

といった課題がありました。

その中で印象的だったのが、

責任感が強い人ほど、自分で抱え込んでしまう

という話。

相手の期待に応えようと譲歩し続ければ、短期的にはプロジェクトが進んでも、本人が疲弊してしまいます。

「譲歩しすぎると、相手は自由になる」

という言葉も印象的でした。

最終的に重要なのは、

誰が何をするのかをチーム全体が理解すること。

そして、メンバーがうまく動ける「場」を設計し、運営すること。

技術だけではなく、人が動ける環境を作ることも大切な仕事だと感じました。


■DominoIQでしくじらないために

DominoIQについてウェビナーやカスタマーサポートなどから得られた情報が共有されました。

ハードウェア要件やGPU、CPU負荷など、実際に導入を検討する際に気になるポイントが中心です。

DominoIQはCPU負荷も考慮する必要があるため、専用サーバーを用意する構成が無難ではないか、というお話もありました。

一方で、まず試してみる段階であればクラウド環境を利用する選択肢もありそうです。

今後も仕様変更が予想されるため、

いきなり本番導入するのではなく、まず検証することが大事。

こちらも今回のテーマ「しくじり先生」にぴったりの内容でした。


■懇親会は京都恒例の川床へ

そしてDomino Lounge終了後は懇親会。

京都開催では恒例となっている川床です。

今回の会場は、

京料理 竹島

でした。

ただし当日はあいにくのお天気。

最初は室内での開催となりました。

「今回は川床は無理かな……」

と思っていたところ、途中で雨が上がり、無事に外へ。

最後には京都らしい川床の雰囲気も楽しむことができました。

セッション中には話せなかったことを聞いたり、各社のNotes/Domino事情を話したり。

こうした交流もDomino Loungeの大きな魅力のひとつです。


■今回のDomino Loungeを振り返って

今回のテーマは「しくじり先生」。

失敗談というと少しネガティブに聞こえるかもしれません。

しかし今回の話を聞いていると、

しくじったからこそ気づけたこと

が非常に多かったように思います。

Notes DBを便利だからと作り続けた結果、探せなくなってしまった。

便利なリモート環境を目指した結果、証明書管理やDDoSといった新しい課題が生まれた。

Notesから移行することを目標にした結果、本来の目的が見えづらくなった。

お客様のために頑張りすぎた結果、自分自身が疲弊してしまった。

どれも最初から悪いことをしようとして起きた失敗ではありません。

むしろ、

「もっと良くしたい」

と思って始めたことばかりです。

だからこそ、他人のしくじりは他人事ではありません。

今回共有された失敗談を聞いて、

「これ、うちもやってない?」

と振り返る。

それだけでも今回の「しくじり先生」に参加した価値があったのではないでしょうか。

成功事例から学ぶこともたくさんあります。

でも、

失敗した人しか話せないこともある。

そんなことを改めて感じた京都開催でした。


■資料の公開について

本日の資料は、ノーツコンソーシアム会員向けに公開予定です。
会員の方は、公開後にぜひ資料もご確認ください。 公開資料リンク

会員にご興味のある方は、ノーツコンソーシアムの案内をご覧ください。 こちら


■今後のイベント予定

Notes/Domino関連イベントは、この後も続きます。

9月11日(金)DominoHub 2026 名古屋
https://www.dominohub.net/dominohub-nagoya-session/
 

9月17日(木)ユーザー情報交換会 in 仙台 + 出張 DominoHub
https://www.notescons.gr.jp/home.nsf/content.xsp?k=2026inSendai
 

9月25日(金)第6回 Domino Lounge(名古屋開催)
https://www.notescons.gr.jp/home.nsf/event.xsp?action=openDocument&documentId=FD2E721DB13085DD49258E3B001B7905
 

10月8日(木)・10月9日(金)ノーツ次世代エース養成ワークショップ(2026年秋開催)https://www.notescons.gr.jp/home.nsf/blog.xsp?action=openDocument&documentId=4F7438373FE6326449258E5E000D3626
 

10月 第7回 Domino Lounge(東京開催)
 

11月11日(水)DominoHub 2026 大阪
https://www.dominohub.net/dominohub2026osaka-session/
 

11月12日(木)ユーザー情報交換会 in KOBE
https://www.notescons.gr.jp/home.nsf/event.xsp?action=openDocument&documentId=2131824082E7506949258E30000B6AF4
 

11月下旬 第8回 Domino Lounge(大阪開催)
 

12月10日(木)拡大理事会

 

これからもイベントが目白押しです。Notes/Dominoを利用されている方はもちろん、

「他社ではどう使っているんだろう?」

「DominoIQやAIについて聞いてみたい」

「Notesの今後について情報交換したい」

という方も、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

                             大阪担当 米原