■テーマ 「IBM Notes/Domino 9.0.1 FP9 新機能評価」
「NotesアプリケーションのModernization」
■日時 2017年11月14日(火) 13:30~17:00
■場所 日本アイ・ビー・エム本社(箱崎事業所)
【 IBM Notes/Domino 9.0.1 Feature Pack9 新機能評価 】
今回の研究会では、2017年8月に出荷開始された、IBM Notes/Domino 9.0.1 Feature Pack9の新機能評価を行いました。
●IBM Notes/Domino 9.0.1 Feature Pack9の主な新機能
今回のIBM Notes/Domino 9.0.1 Feature Pack9はバグフィックスが主な内容で、新機能についてはそれ程多くはありません。
それでも、以下に示すような新機能が追加となっています。
[Domino]
1.エージェントマネージャーのキューの上限変更するパラメータ追加
2.トランザクションログのパフォーマンス改善
3.メールルールによる外部インターネットへの転送制限
4.インラインビューの索引有効化
5.Javaの更新(1.6 から 1.8 )
[Notes]
1.代理アクセスのメールDBを自動更新
2.ステーショナリーから作成したメールを回収
3.高解像度モニタのサポート
4.名前検索の機能向上
5.モバイルディレクトリカタログでの名前検索の向上
6.既存メールへのルール実行
7.Outlookとのカレンダー連携の向上
以下の公開情報に詳細な情報が記載されています。
[Domino] → https://ibm.co/2gHejf3
[Notes] → https://ibm.co/2eAkixL
Feature Packを導入する機会はなかなか有りませんので、まずは各自で、手元の検証環境に対し、Feature Packを導入する体験から始めました。
①Feature Packのモジュール準備
今回のFeature Pack用モジュールには、Dominoサーバー用、Notesクライアント用、オープンソーシャルコンポーネント用、テンプレート更新用があります。
今回の検証ではオープンソーシャルコンポーネント用のモジュール以外のモジュールを導入します。以下3つのモジュールを、手元の検証環境へコピーします。
●Dominoサーバー用モジュール
●Notesクライアント用モジュール
●テンプレート更新用モジュール
②Dominoサーバー用モジュールの導入
最初に、Dominoサーバー用モジュールの導入を行います。
モジュールを実行すると、インストーラーが起動するはずですが、Dominoが動作している旨のエラーメッセージにより、実行できません。
OSのサービス一覧を確認しても、Dominoサーバーは動作していません。
Dominoサーバーに関連する以下のサービスを停止する事により、正常にインストーラーを起動できました。
●NSD
●IBM Domino Diagncostics
環境によっては、上記のサービスを停止しても、まだ実行できない場合が有ります。
その場合、追加で以下のサービスを停止する事により、正常に実行できます。
●Windows Management Instrumentation
インストーラーが正常に起動すれば、モジュールの導入はウイザード形式で進んで行くだけで、特に迷う点は無く導入されました。
③Notesクライアント用モジュールの導入
次に、Notesクライアント用モジュールの導入を行います。
こちらは、特に問題無く実行され、すんなり導入できました。
④テンプレート更新用モジュールの導入
引き続き、テンプレート更新用モジュールの導入を行います。
テンプレート更新用のモジュールには、英語版とその他言語版と2種類のモジュールが有ります。
日本語版のテンプレートの導入を行う為、その他言語版の「ND_901FP9_ML_templates.zip」を解凍します。
解凍後、各言語版ごとにフォルダ分けされますので、日本語用の「ja」フォルダを開きます。
アドレス帳関連とメールボックス関連、DJX環境で使用する為のDJX管理ツール関連のテンプレートが格納されています。
ご使用中の環境に合わせて、必要なテンプレートを手動で導入します。
今回の検証環境ではDJXは導入されていない環境でしたので、Dominoサーバー、NotesクライアントそれぞれのDATAフォルダ
へ上書きでコピーで、以下のファイルの導入を行いました。
[Dominoサーバー]
●mail9.ntf
●pernames.nsf
●pubnames.ntf
[Notesクライアント]
●mail9.ntf
●pubnames.ntf
テンプレートを導入しただけでは、NSFファイルの設計更新は行われませんので、手動で設計の更新を行います。
Dominoサーバーでは、デザインタスクを実行する事により、設計の反映が行われますが、今回はオフラインでデザインタスクの実行コマンドを起動し、設計の更新を行いました。
OS上で「コマンドプロンプト」を起動します。
Dominoサーバーのプログラムフォルダへ移動します。
デザイナータスクの実行コマンド「ndesign.exe」を起動します。
実行すると、デザイナータスク起動時の様なメッセージが出力され、設計の更新が行われます。
Notesクライアントにはデザイナータスクも、コマンドも有りませんので、コツコツ手動でテンプレートの更新を行います。
⑤導入結果の確認
正しく導入されたのかを確認する為、Notesクライアントを起動し、バージョン情報を表示してみます。
正しく、「リリース9.0.1FP9」と表示されています。
以上で、Feature Pack9の導入手順は終了です。
導入体験後、研究会メンバーを2チームに分け、新機能検証を行いました。全ての新機能を検証するのは時間的に無理ですので、ピックアップし多機能の検証を行い、最後に各チーム毎に発表を行いました。
●高解像度モニタのサポート
以前のバージョンでは高解像度のモニターでは、デスクトップアイコンが小さく表示され、見辛かったものが改善されていました。
●既存メールへのルール実行
メール設定ポリシーを設定する必要がありますが、既存のメールについてもルールを適用するメニューが出てきます。
実行すると、確かに既存のメール文書についてもルールが適用されました。
●ステーショナリーから作成したメールを回収
回収できました。
●名前検索の機能向上
性能が向上しているはずですが、検証環境がそれほど高性能ではありませんので、少々分かり辛かったです。
その他、番外として、以下の検証を行いました。
●djxdd.ntfのテンプレート名
以前の「DJX Domino ディレクトリ」に戻りました。
【 Notesアプリケーションのmodernization 】
NotesアプリケーションのModenizationというテーマで以下の内容に着目してディスカッションを行いました。
●Web対応
●アプリケーション連携
●モバイル
チームディスカッション後、結果の発表を行いましたが、Feature Pack9の検証に、思いのほか時間を掛けてしまった為、残念ながら、時間切れとなってしまいました。
今回の研究会では、Modenizationは非常に重要だが、全てのNotesアプリケーションに対し、実施するのはコストや期間の面で、難しい為、「まずはModenizationの対象を見極める為にアセスメントを行うところが重要。」というところまでとし、また改めて機会を作り、ディスカッションを行う事となりました。
次回の研究会は12月12日(火)の開催です。
本年度最後の研究会で、1年間の活動のまとめを行う予定です。
研究会メンバー 中原